チュウの自宅に近づいた

住宅街から離れた場所にある動物病院兼自宅のソコは

自宅も病院も僕の家と変わらない大きさ

自宅と病院を囲む白い塀が印象的

僕の家と違う雰囲気

そんな事を改めて感じていたら

視界に入った白い塀の上に真っ黒なかたまりが見えた。

ペダルを漕ぐ音に気付いたのかそのかたまりが少し動いた。

「ゴン、今日はそこで昼寝か?」

チュウも真っ黒なかたまりのゴンに気付き、話し掛ける。

「ナー…」

あくびをしながら返事をする。

「あ、チャリはこっちな。」

自転車を降り、押しながら庭に入るチュウ

チュウの後を歩き、家の中に入る。

「これに着替えろよ。オレのお古になって悪いけどその服汚すよりは良いだろ?」

チュウの部屋に入った途端、渡されたのはツナギ

「制服なんてたいそうなもんじゃねーけどさ。」

チュウは素早く着替え

僕も慌てて着替えた。


今からバイトが始まるんだ。

学生服と違い、袖を通したら少し気持ちがピリッと引き締まった気がした。