「でも、動物って僕飼った事ないし…」

「「大丈夫!!」」

親子の声は重なった

「ゴンがこんだけなついてるんだ」

「しかも聞くと初対面で膝に座ったんでしょ?」

「あ…あの…?」

僕は親子の会話に割り込めない

「ゴンはな、人間嫌いなんだ。初対面で懐くなんてありえねえくらい。」

「だから、大丈夫よ。遊ぶ子達も良い子だし。」

凄い、勢いというのか

「は…ぁ…」

返事とも相槌ともいえない声しか出せない僕



プルル…


電話が鳴り、チュウの母が出る

「アツムくんがOKならあたしは大歓迎よ。じゃ、患畜が来たから行くね。」

電話を切り、そう言って慌ただしく出て行った。

「……………」

ポカンとする僕をチュウは笑いを堪えながら

「どうした?アツム」

「いや…ビックリした…」

「台風みたいな人だろ?」

ああ、それ合ってる気がする

「OKは出たけど、どうだ?」

バイトは

「…僕で出来るの…?」

不安だらけの僕は

もう一度、聞く。

「オレが出来るんだ。大丈夫だ。」

チュウは僕の背中をポン、と押した。