キスして

「ま、興味ねーけど。それよりここ、俺の場所。勝手に次来たらどうなっても知らねーからな。覚えとけ。」


冷たく言い放つとプイッと背を向けて見えない場所へ移動していった。

興味ないと言われたけど…来るなと言われたけどわたしは口を動かした。


「小さい事言わないでよ!こんな広いとこ、ひとりじめなんてケチすぎるんじゃない?」


大きい声で叫んだ。

でも返事がない。


無視されちゃった。

もっと彼と話したかったけど予鈴が聞こえたからしょうがなくまた窓の方に向かった。

また明日来て話せばいいし。


窓に手を伸ばして登ろうとするけど…話せたから?あんなこと言ったから?手が震えてうまくのぼれない。


「てめ…登れもしねーくせに来てんじゃねーよ。」

真後ろから声が聞こえて振り向くとすぐ真後ろにわたしを上から睨んでる涼風壮陛がいた。

ビックリしちゃって


「あ…先行っていいよ。ゴメンね、とろくて。」


そう言ってどくと、スッと窓を登り、あっさり乗り越えて涼風壮陛の姿が見えなくなった。

やっぱり手伝ってなんてくれないよね。

しょうがなくまた手を伸ばして登るけどやっぱり無理で。


諦めてしばらく屋上で時間をつぶすことにした。