キスして

壮陛には言わなかった。

言えなかった。

もしも涼子ちゃんや鈴ちゃんと同じ考えだったらいけないから。

でもね、壮陛は最近連絡をくれない。

夜になったらいつも連絡してくれてたのに連絡がない。

2日はメールも電話もしてない。

顔あわせてるからいいって思ってるのかな??



「俺今日、飲み会だから。」


わたしを不安に陥らせた言葉だった。

思い出したの。

前にミス北洋が飲み会に誘ってたの。

そのとき壮陛は行かないって言ってたのに行くことに決めたの??

だいたい高校生だから飲み会なんて…。

わたしの頭が固いのかな??


「そっか…。何の飲み会?」

不安を悟られないように聞いた。

バレたくない、わたしが不安がってるの。


「バイト先。歓迎会だってさ。」

わざと??

壮陛、今の言葉のときわたしの顔全く見なかったよね。

なんか言いにくいことなの??

普通なことなのに。


不安はわたしの中で増殖し、マイナス思考一直線だった。


「そっか。楽しんできてね。」


「ん。」


そしてまた帰りにミス北洋と帰っていく壮陛。

その姿を見て心が痛くなり、寂しくなり、恋が辛いと思ったのは言うまでもない。

初恋。

恋ってこんなに辛いんだって思い知った。

わたしにはまだ、恋は早すぎたのかもしれない。