キスして

恋をしたことがないってわけじゃない。

でも、好きすぎて目で追いまくって考えると苦しい!!

なんてことはない。


ただ”あ、あの人かっこいいかも。好きかもしれない。”って思うくらい。


それは恋じゃないと涼子ちゃんに言われたけど恋だと思ってた。


「初恋が涼風なんて…無謀すぎる。あいついい噂聞かないよ?でもやるの??」


「うん…━━」


学校へ行きだして1ヶ月。

わたしはまだ喋れずにいた。

そんな昼休み、わたしの机のまわりでいつものように3人で語っていた。


「菜穂、あんた綺麗だから確かに涼風と並べばお似合いよ。ホントに相応。でもあの男、調べたけど相当遊んでるわりに女は作らないタイプみたいよ。いいの??」


「お、出た!菜穂ちん、鈴はね調べるのが得意なの。どっから情報を得るのか…でも相当詳しいよ。男には興味ないくせに調べるだけ調べてんの。だから彼氏できないんだよね~。」


「鈴ちゃん…もしかしてわたしの為に…調べてくれたの?」


涼子ちゃんがけなした言葉も最後は聞こえてなかった。

もうウルウルとして視界がよがんできた。

友達が…わたしのために動いてくれたなんて初めてで。

嬉しすぎた。


「ちょっ…━━。何泣きそうになってんのよ!!ウザイわね。ていうか涼子。あんた覚えてなさい。あんただって今恋すらしてないくせに!!」

そんなわたしに鈴ちゃんは冷たい言葉を吐いた。

ま、涼子ちゃんにもだけど。

その後2人は言い争いなんてしてた。


っつーか…鈴ちゃんだって涼風くんと同じくらい毒舌だと思うけど…。

言えないけどね。