「なぁ睦月」

「んー?」

振り向かずにケータイの液晶画面を見つめる睦月。

「いつもお前何やってんの?」

「ケータイ小説読んでる」

「面白い?」

「まーね」

…素っ気無い態度。

「どんな小説なん?」

「恋愛小説」

「女の子はそういうの好きだよな」

「うん」

ポツリポツリと、睦月はいつも単語でしか返事しない。

だから、睦月は無愛想な奴というのが俺の印象だった。