ソフトクリームみたいな入道雲が忌々しい。

8月の昼下がり。

俺と亨は志穂に駆り出されて近くの公園へとやってきていた。

「なぁ…俺ら何で呼び出されたん?」

小声で亨が俺に話しかける。

そんなもの、俺が訊きたいくらいだ。

俺は今年大学受験を控えていて、この夏休みが追い込み時だというのに。

そりゃあ志穂は気楽でいい。

3つ下の幼馴染み。

亨と俺とは腐れ縁という奴だった。