授業は中断。

こうも激しい雨では、体育どころではない。

体育倉庫の軒先。

止みそうにもない雨に溜息をついていると。

「ねぇ、見てあれ」

扶美が何かを指差した。

何と、バスケットコートにまだ二人、女子生徒が残っている!

降り注ぐ雨粒を気にもせず、ダムダムとバスケットボールをドリブルするのは百合。

腰を低くしてハンズアップ、対峙しているのは若菜だ。

二人ともバスケ部。

部内ではライバル関係にあった。