駅に逃げ込むように走り込み、ベンチに座って一休み。

「はぁ、はぁ…体育の授業よりキツイよ、これ…」

雅美ちゃんがベンチの背もたれに寄りかかって呼吸を整える。

「折り畳み傘くらい持ってきとけば良かった」と夏美。

「あ、ほのかちゃん、ここまだ濡れてる」

忍が私の首筋の辺りをハンカチで拭いてくれた。

…雨はより一層激しさを増し、止む気配を見せない。

上がる水飛沫が、駅に入ってくる電車も、向こう側のホームに立つサラリーマンの姿も霞ませていた。