「幸子!」

大久保君と佐伯君が私を呼ぶ。

「記念写真撮っとこうぜ」

「うん!」

私は言われて、黒板の前へと歩み寄る。

「幸子が真ん中な」

「え、いいの?」

「こういうのは女の子が真ん中だろ」

大久保君に背中を押されて、私はフレームの真ん中へと立たされた。

手には卒業証書の入った筒。

それを両手で握り締めて。

「卒業、おめでとぉおぉぉ!」

ピカピカの笑顔でシャッターを切った。