一歩一歩、踏み締める。

コンクリートでできた階段。

何段か昇ったら少しの間アスファルトの傾斜が続き、また何段かのコンクリートの階段が続く。

この街は、こんな狭い坂道が幾つも幾つも絡み合って出来た山の上にある。

子供の頃はこの坂道が嫌だった。

重いランドセルを背負っているだけでも嫌なのに、更に急な坂道。

よく蹴躓いて転んで、膝小僧に擦り傷を作ったものだ。

今でも跡が残ってて、友達に「腕白小僧だったんだね」とからかわれる。

私は女の子なのに!

でも元気よく坂道を走り回ってて転んだ時の傷だから、腕白だったというのも否定は出来ないかもしれない。