「あんたいい加減にしなよ!」

何もかもが真っ赤に染まった土手。

ツカツカと歩いていく勝彦の後ろを、ツカツカと歩いて追いかける。

「もう何ヶ月空手部に顔出してないと思ってんの!部員のみんなも顧問の先生も心配してんだよ!?」

「……」

勝彦の耳にはヘッドホン。

シャカシャカと音漏れが酷い。

だけど、私の声が聞こえていない訳ではない筈だ。

私は道行く人が振り向いてしまうほどの、大声で話しかけているのだから。