冬の夕暮れ。

誰もいない駅のホーム。

シンと静まり返った空間。

どうしてだか、寂しさに人恋しくなる。

冬ってそんな季節。

だからこそ、誰かの温かさを感じていたくなる。

「……」

寒くてポケットに突っ込んでいた手を出し、華子の手を握ってやる。

それだけで、華子は幾分か安心したように表情を和ませた。