渚ちゃんの座っているバス停のベンチの隣に座り、微笑ましく彼女の横顔を見る。

「面白い?」

「ん」

「半分くらいは読んだ?」

「ん」

「もう宇宙人が攻撃してくるシーンは出てきた?」

「ん」

目線は逸らさず、ひたすら紙面。

あんなに、

「活字読むのヤダー!めんどくさーい!」

と嫌がっていたのに、今では私の勧めた小説はどれでも熱心に読んでくれる。

嬉しい事だ。