「やったぁ!一等賞!」

見事作戦通りの先行逃げ切り。

鮮やかに下り坂を駆け抜け、千草の流星号がブレーキング。

「ウィナー、千草ちゃあん!」

若菜が千草の右手を掴んで掲げる。

ぐぬぬ、無念…。

煩悩でまたも迷いが生じ、俺は20回目の敗北を喫するのだった。