「ちょっと大切な事ねぇ…」

今日子は独り言のように言って、再び手にしたノートに視線を戻す。

「……」

そんな彼女の背中を睨む俺。

「おい、今日子…そのノートちょっと貸せ!」

少し乱暴にノートを取り上げると。

「あーーーーーっ!!」

やっぱりだ!

俺が熱心に小説を書き溜めてたノート!

「お前が犯人だったのか!」

「あははははっ!」

今日子は俺から遠ざかりながら笑う。

「平井君が休憩の時に、熱心に何か書いてたからさ。気になってたのよねー」