学校の帰り道。

「あ、ちょっと待って!」

美代ちゃんが突然私に鞄を預けて、脇道にそれる。

何だろうと見ていると。

「ほら、おいでおいで♪」

美代ちゃんはしゃがみ込んで、建物の隙間を覗き込んでいた。

何事だろう。

私も美代ちゃんの背後から、建物の隙間を覗く。

「わぁっ」

思わず声を上げる私。

狭い建物の隙間に、小さな三毛猫が潜んでいた。