お伽話をキミに。





「っいってぇ…!!何すんだよ!!」


「お前さ、馬鹿じゃねぇの?あんな真っ赤に顔弛ませといて、いつもと変わんねぇとかほざく気か?ぁあ?」




超絶に痛かった鉄拳に抗議の声を上げるけど、それに返ってきたあまりに機嫌の悪い龍ちゃんの声に、若干引け腰になる俺。

いや、あの般若みたいな目で睨まれながら言われたら誰だってびびるよ、絶対。


俺を殺しそうな勢いで視線を刺していた龍ちゃんは、更にそれに絶対零度の冷たさを足すと体を起き上がらせ再びコーヒーを口に運ぶ。




「お、俺…そんな顔に出てた?」




龍ちゃんを見ながら何とか絞りだした言葉。
噛んでしまったのは龍ちゃんの怖さのせいか、それとも恥ずかしさのせいか。