お伽話をキミに。





「……お前なぁ…自分がどんな顔して喋ってたかわかってねぇわけ?」




呆れたように視線だけを向ける龍ちゃんに、俺はその言葉を理解しようと必死だ。

だってわかんねぇんだもん。

つか、そんな色気含んだ流し目で俺を見ないで。そっちのけはないけど、一瞬ときめいちゃったじゃん!




「わ、わかんないから聞いてんの!!」




不覚にも熱をもってしまった頬を隠すように声を張って吠える。

俺、今めちゃくちゃ格好悪いよね。

そんな俺に龍ちゃんは再び深い溜息を吐くと




ガツッ




「──────────っっっ!?」




驚くくらい痛い拳が頭の上に降ってきた。