それでもひたすら視線を送り続けていると、冷蔵庫に全部を入れ終わったのか、龍ちゃんはブラックコーヒー片手に俺の向かいにあるソファーにどかりと座った。
結局、買い物に出かける前と同じ位置に落ち着いた俺たち。
「何でって…たまたま通りかかった公園で、たまたまお前らが喋りながら、たまたまお前が自分の上着を女に掛ける瞬間を見たってだけだ」
…………な に そ れ。
本当にたまたま?やけに詳しくないご存じじゃないですか、龍之介さん。
しかもそれって結構最初の方から見てたってことですよね?
しらっと言い切る龍ちゃんに突っ込みたいところはいっぱいだ。
が、それより気になるのは何で隣にいたのが如月さんだってわかったのか。


