俺の目の前に立って不思議そうに首を傾げた彼女に俺の頬はどんどんと赤くなっていく。
正直思考なんてないに等しい。
ただ
"彼女が目の前にいる"
それだけがぐるぐると俺の中を廻った。
「お、僕は…い、従兄に買い物頼まれて…」
「そうだったんですか!実は私も姉に頼まれて買い物しに来たんですよ」
お互い大変ですね、と困ったように笑う如月さんに俺は必死に首を縦に振って頷いてみせた。
馬鹿みたいに赤くなって頷くしか出来ない。
まじで格好悪すぎるぞ、俺。
普段なら気のきいた台詞くらい簡単に言えるはずなのに。
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