龍ちゃんが俺にお金握らせるとか犯罪っぽいよ、まじで。地味男子をぱしってる不良みたい。(実際やってることは大して変わんない気もする)


まぁ、またあの目で睨まれるのが嫌で、何だかんだ言いながら靴を履いてる俺も俺かもしれないけど。




「ちゃんと買ってこいよ」


「……………鬼」


「誉め言葉だな。先輩からの洗礼だと思え」


「意味わかんない」




"鬼"は誉め言葉じゃないし!何だよ、洗礼って!



追いやられた玄関口。

何だかよくわからない念押しをされた俺は"龍ちゃんなんて一生彼女出来ないよーだ!!"と叫んで勢い良く家を飛び出した。



ドアが閉まる音とともに最後に見えたのは、楽しそうに歪んだ龍ちゃんの顔。