あれは衝撃的だった、まじで。




「どんな奴なんだよ」




好奇心の塊みたいな視線を投げてくる龍ちゃんに、俺は暫し彼女を思い出してみる。




「如月さん?んー…何ていうか、こう…守ってあげたくなる感じ?」




龍ちゃんが好きそうなタイプだよ!と言えば一瞬首を傾げたものの、龍ちゃんは"ふーん"と曖昧に返事をして俺から視線を逸らした。


え、自分から聞いたくせに反応薄くない?どうせなら最後まで興味持ってよ!


そんなこと思っても口には出せなくて。


心の中でそう訴える俺をよそに龍ちゃんは近くにあった鞄を漁り中から薄い洋書を取り出すと、それを俺に投げつける。