「………………」 「…………ごめん、シカトはやめて。切ないから」 郁は何を発することなく、明らかに"は?"といった顔をしていて。 うん、一応俺も人並みに傷付くんだよね。 らぶらぶどっきゅん発言をした俺を郁は盛大すぎる溜息つきで見てる。 あんまり溜息ばっかりつくと幸せ逃げるぞって言ったら、逃げたらお前のせいだと頭を叩かれた。 「………悠斗の好みってああいうのだった?」 叩かれた痛みに頭を抑える俺の横で、簡素な着信音(黒電話みたいなやつ)を鳴らした携帯を弄りながら俺に問い掛ける郁。