「…あー…可愛い…」




隣を歩いてる女の子たちだって、それなりに可愛く笑ってるはずなのに。


俺の目には如月さんの笑顔だけが数百万億倍キラキラ輝いて見えた。





「どうしよ、郁。俺らぶらぶどっきゅんなんだけど」






はぁ…と甘く溜息を吐きながら消えていくその後ろ姿を見送る俺。


あっちは俺の存在になんて気付いてないみたいだけど。


それでも胸の奥の奥がキュンキュンと高鳴って仕方ない。



どうにかこの高鳴りを伝えたくて郁に話し掛ければ返ってきたのは冷たい視線だけ。