「まぁ…俺のことはどうでもいいんだけど………………あ、如月」




聞いちゃいけないことを聞いたかも、と俺が俯いてちょっぴり後悔していたとき。


ふいに郁が窓の向こうに下校中の生徒を見つけた。


郁の口から漏れた名前に俺は条件反射のように窓の方へ顔を向ける。




「あ」




そこにはさっきの彼女…如月さんの姿。


遠いけどたぶん間違いない(此処は三階)。



如月さんは友達らしき女の子二人と楽しげに笑いながら校門に向かって歩いていく。