未だ座り込んだ状態のまま立ち上がれず、更に俯いてしまった俺の耳に焦った彼女の声が降ってくる。


その声は今まで聞いたどんな女の子の声よりも澄んで聞こえた。




……でも、顔上げらんねぇ…っ!!



………いやいやいや!!

頑張れよ、俺!王子だろ!?




「…いや、大丈夫だよ。ごめんね?君こそ大丈夫だった…?」




心の中で何度も深呼吸を繰り返した俺は、意を決して立ち上がりいつもの王子様スマイルを作って顔を上げる。




………うん。いつも通り出来てるか限りなく不安なんだけど。




「あ…私は大丈夫です。水無月くん…本当に大丈夫ですか?私みたいな重たい体が落ちてきて…」