お伽話をキミに。





「悠斗は現実の女に興味ないんだと思ってたから」




意味深に口の端を上げ俺を見る郁人。


…さっきまでの黙りはどこいったんだよ、この野郎。

そう突っ込みたかったけど図星さされて何も言えない俺。



…確かにそうだよね。

俺、クラスの男子とかがそういう話してても"ふーん、そうなんだ"って感じで右から左状態だったし。



だってさ、それがどんな気持ちなんだとか…

全然わかんなかったんだよ。




「…郁はさ、いつから好きな人いんの?」


「……………俺?」




何だか悔しくなって郁に質問をぶつければ、考え込むように視線を動かし始めた郁人。