ドキドキの音が止まない心臓のまま、俺はまだ教室にいるであろう郁のもとへ走っていた。



バァンッ




「い、郁人…!!」




思いっきり教室のドアを開けて名前を呼ぶ。

その声に特に驚いた様子もなく、いつも通りの表情で顔を上げる郁人。

いつもなら何かしら突っ込むところだけど、今日はそんな余裕はない。


俺は如月さん名前が入った携帯を郁に向けて突き出し、はやる気持ちを抑えることなくそのままこれまでの経緯を話した。


自分でも何言ってるかよくわかんない状態だったけど、とにかく興奮した感情を言葉にしたくて。