お伽話をキミに。





本当はもっと、こう…流れ的な作業で交換するもんなんだろうけど、残念ながら俺にその余裕は残ってなくて。


今しかないって焦る気持ちが先走ったのか、俺は知らず知らずのうちに如月さんの手を握ってた…らしい。



バッ




「ご、ごめん!!」




ちょ、な、何やっちゃってんの俺!?手、握った!?


はたと気付いて慌てて手を離したけど、恥ずかしさのあまり俺の顔は真っ赤に染まった。

そりゃあもう、自分でもわかるくらいはっきりと。


…聞くだけで精一杯になってて、無意識だった…!
でも、それで手握っちゃうって…!