「はは、まぁね。じゃあ、僕は用事があるから行くけど…気を付けて帰ってね」




込み上げてくるどす黒い感情を無理矢理抑えて、にっこり微笑んでから彼らに背を向けた。


無意識にいつもより少し早くなってる歩くスピード。

その後ろを郁が黙って着いてくる。




「…我慢できたじゃん。悠斗えらーい」




……やっぱり何でもお見通しなわけですね。


自分のペースを崩すことなく歩きながらそう言う郁に苦笑するしかない。


この学校で誰より俺を知っていて、誰より俺の感情に敏感な郁人。



…本当、自慢の親友だよ。