「…如月がなんか喋ってるっぽい」
そんな俺を普通に無視して教室前のグループを観察していた郁が微妙に眉を顰める。
なになに、如月さん?
如月さんの名前が出たら黙ってるわけにはいかないでしょ。
俺は痛い額を押さえながら郁と一緒に彼女たちの会話に耳を傾けた。
そりゃあもう全神経を傾けて。
耳ダンボですよ。
「えー!如月カラオケ行かないのかよ〜」
「ごめんね!図書館行って調べたいことあって…」
「明日じゃ駄目なわけ?」
「ちょっとあんたたち文句言わないの!花恋はあんたらと違って一般で外部受けるから大変なのよ!!」


