郁の視線を追って､俺もそっと教室が見える位置に顔を出す｡


すると､さっきまで教室の中で話していた男女のｸﾞﾙｰﾌﾟが廊下に出てくるのが見えた｡

勿論如月さんも｡




｢やばっ!どうしよ…!!｣




見えた如月さんの姿に思わず焦る俺｡

まだ何も案出てないんだけど!




｢悠斗五月蝿い｡黙って｣




…はい｡


ﾃﾝﾊﾟって焦る俺の額に郁の高速ﾁｮｯﾌﾟが落ちてくる｡


…痛ぇ…地味に痛い｡


いや､うん｡そのお陰で俺の声が漏れるのは阻止できたわけだが｡


にしても手加減ってもんがあると思うんだけど｡