如月さんには素の自分でぶつかっていきたいから。
王子様には頼らないって漸く決心ついたんだ。
だって…俺だって……好きの人の"特別"な王子様になりたいし。
とにかく俺はこのままの俺で勝負していきたい。
「…ふーん」
王子様はやりませんと啖呵をきった俺に、郁はニヤニヤと笑いながら相槌をうつ(とはいっても、その表情の変化なんて微々たるものなんだけど)。
「…な、ん、だ、よ」
「いや別に。是非頑張……あ」
俺の方に手を置き、多分激励の言葉をかけてくれるつもりだった郁が突然言葉を止めて如月さんのいる教室の方へ視線を向けた。


