「これ、簡単に出来そう!」
私はチョコを溶かしてカップに流して飾り付けておしまいって感じのキットを手にした。
簡単なキット…の中でも更に簡単なキットである。
「だめだめ!あたしがいるんだからこんなんじゃなくて1から作るの!」
奈美は大張り切りである。
そう言うと奈美は材料をかごに集めた。
基本の板チョコやら他にもたくさんカゴに入れていた。
「二人分ぐらいの材料だけど…割り勘でいい?」
「え、あ…うん」
考える暇もなしに私の手作りチョコも決定した。
「勝手に決めて悪いけど…でも笹もすっごく喜んでくれるようなの必ず作るからさ」
そう言われて胸が弾んだ。
私1人じゃ無理でも奈美と作ったならきっと素敵なものをプレゼントできる。
「奈美、お願いね」
