それでも大好きな人


土曜日の朝。



近所の駅に行くと奈美が待っていた。





「おはよう、奈美」


「うん、おはよっ」




奈美は楽しそうだった。



「私市街地行くのって年明け以来だなぁ」




話しながら電車に乗った。


ここから30分ぐらいしたら市街地に着く。


譲くんはこの道のりを毎日通ってるんだなぁ。




「奈美は…チョコあげるの?」



さりげなくなく聞いてみた。




「うん、そりゃ手作りするんだもん」





知らなかった。
奈美、好きな人いたんだ。




「えっと…それって…私知ってる人だったりとか…」



たどたどしく聞いた。

そんな私に奈美は笑った。





「別に隠したりしないわよ!…キャプテン。隣のクラスの周平。」




同じバスケ部…男子バスケ部のキャプテン。


隣のクラスでわりかしモテる。


勉強もスポーツも良く出来る明るい男の子…らしい。



私はほとんど話したことないから良く知らない。




「って唯マネージャーなのに?まぁ…笹以外の男には興味ないもんね」


「もう…奈美ってばぁ…」




でも実際そうかもしれない。


譲くんと付き合うようになってから驚く程男の子を見なくなった。


その前も譲くんばっか見てた気もするけど。





今度部活の時によく見ておこっと。