涙の宝器~異空間前編

買い物袋の多さに、家族のテンションは盛り上がりをみせた。

【晩酌】

以前、料理人をしていた父さんの腕前には何度感動してきた事だろう……

母さんの前では中々言えないでいたが、お袋の味ではなく親父の味で育ってきたと言っても過言ではない。

テーブルの上には色とりどりの料理が広がっていた。

俺の大好きな豚の角煮、から揚げ、卵焼き、野菜サラダ、アサリのみそ汁、マグロの刺身、フライドポテト、他。
今までこんなに豪華な料理が一斉に並んだ事はない。

すっげぇ〜)