涙の宝器~異空間前編

「お前今日は仕事休みか?」

「うん。
だから帰ってきた」

「どういう意味?」

「ん?
だから実家にだけど」

父さんが急に黙った。

「………は?」

ようやく俺の話しを理解してくれたのだろうか。

「冗談かそれ?」

「いやマジだけど。
いま玄関前に居るし」

父さんはそれを聞いて慌てて玄関のドアを開けた。
俺の姿を確認すると、父さんはマジで驚いていた。
その姿に俺の行為の効果は抜群だったようだ。

黙って帰ってきた事で、父さんにとってはまさに台風。