涙の宝器~異空間前編

【帰省】

空から見る懐かしい景色。
色鮮やかな青や緑。
こんな景色を見れるのは空からだけ。
行ったことのない島々がそこにはあった。

東京で深夜に空中散歩という番組がたまにあった。
飛行機が空から島々を映し出し、通過していくというそのままの番組。

見る度に帰省を考えた。
俺にはもうここに帰るつもりはなかったのだが、どうしても最後に親の手料理が食べたかった。

【到着】

到着ゲートを抜けると誰も待ってはいなかった。