涙の宝器~異空間前編

「何言ってんだお前?」

「弟からのささやかなエールだよ〜」

俺はそう言って、兄貴の腹部を軽く叩いた。

「じゃ!」

俺は笑顔で二人に背中を向け歩きだす。
俺は背中で兄貴に聞いた。
なぁ、兄貴

俺たちはずっと兄弟だよな
兄貴だけは俺のこと忘れないでな。
どうか幸せになって俺の分まで生きてくれ。

兄貴、さよなら。