結論。
先輩からの紹介の誘いに、涼は躊躇なく甘えた。
翌日の朝、八時に早速その水産会社に足を運んだ。
一人の社員が開店準備をしていた。
店の裏口では漁港の競りで仕入れた魚介類が軽トラックから次々に運ばれていた。
しばらく外で待機していると、社長が出勤してきた。
涼は名前を名乗り挨拶を終えると店内に入った。
軽く書類にサインをして提出した。
直ぐさま採用をもらい翌日からの出勤が決まった。
【始まり】
翌日から始まったアルバイト。
作業着は自前で用意した。
下は紺色のジャージに上はグレーのポロシャツ。
支給してもらった雨靴を履き、前掛けをして準備を整えた。
作業は洗い物から始まった。
ホースを使い魚介類を扱う事に欠かせない笊(ざる)・トレー・木箱・プラスチックの箱をその都度洗っていった。
涼は、とにかく慣れない環境に戸惑っていた。



