涙の宝器~異空間前編

そして、これが三人が顔を合わせる最後の日だった。

涼は二人と握手を交わして両手を振りながらその場を立ち去った。

体力の修得、それと微かな友情を得たことで、涼はさらに自分に自信が付いていた。
本大会まであとわずか。

涼は本大会に出場する事で本当の自分を迎えに行く事を誓った。
今日まで過ごした日々を決して無駄にはしないと、一皮剥けた男がそこには居た。

命の尊さというものを改めて再確認することが出来た貴重な時間。

夜空に願いを込めて。