涙の宝器~異空間前編



俺は落ちていくタケシを間一髪で止めた。


残りわずかのロープを素手で握りしめ、少しずつタケシを上げていった。



素手でロープを引っ張るなんて初めてだ。


俺が諦めればその時点でタケシは死んでしまう。


早く救ってあげないと、今にも後にも大変な事になってしまう。



他の三人はタケシの名前を連呼していた。


その中にはミコというタケシの彼女がいた。



「お願い!!
タケシを助けて!!!」



泣きながら必死に叫ぶミコをよそに、ロープを引っ張り続ける俺にも限界が近づいていた。