ここで一つ気づいたことがある。 俺は実体化していなかった! 触れるものが透けてしまうんだ。 体はそれとなく軽く感じた。 幽体離脱とはこういうものなのだろうか? 何かが光った。 俺は二人の跡を追う。 立ち止まる二人の頭上から鎖で吊された板が降りてきた。 (俺は何を!?) 俺も板に同乗し、上がっていった。 上部に着くと、そこには大量の裸電球が室内を照らしていた。 目の前の俺を見ると、やはり驚いている様子だった。 そこの中央部には、両脇にタルが置かれている。