涙の宝器~異空間前編



そういう事だったのか……


……………………。


もう誰も来なくていいよ!


兄貴!!!!




もう兄貴も俺のことを忘れるんだよな……?



あれだけ願ってたのに!



酷すぎる。


ここに現れる側近は、別れに来れる事を条件に、俺の記憶を全部消失されてしまうことが条件だったんだ…………





「運転手さん!!
もういいです。
これ以上何も望みません。早く地獄に連れていってください!」


「本当にそれでいいんですね?」


「はい」



そう告げると、険しい顔で運転手は運転席に座った。