涙の宝器~異空間前編

【渋谷での深夜三時】

ミコたち巻き込まれたあの日から数ヵ月。
涼はあの失敗から少し成長した。
人通りもほとんどなかった。

スクランブル交差点を抜けて、センター街に入っていく。
向かっている場所はあの三万円を支払わされたロットマップ。
ようやく店の前までやってきた。

実は以前、ロットマップで会計を済ませた時に名刺をもらった。
ただの名刺ではない。

小細工加工が施されており、それは別の意味を成すモノだった。
涼は名刺に記されたQRコードからそれを読み解いた。

詳細は次の通り。
塩水に浸すと化学反応で異色変化する招待券。

そこには政府も黙認するほどの巨額が動く裏世界への侵入。