過ぎても過ぎても同じ光景の並木道。 現れた。 前方に人が現れた。 「あっ!!」 あれは幼なじみの誠くんだ。 もうかれこれ三年は会っていない。 このバスはわずか十キロのスピードだった。 そのため、一瞬で何かを見失うことがない! 誠くんは右脇の草むらから出てきた。 彼はひたすら手を振ってくる。 そんな行動に、俺は涙をさらけ出して大きく手を振った。 彼の姿が段々と遠退いていく。 ついに姿が見えなくなった。 俺は夢でも見ているのだろうか。