涙の宝器~異空間前編


【麻衣の部屋】


やっぱり何にも思い出せない。
あの男の人は誰だったんだろう。
そのまま眠りに就いた。

夕方起きると、メールが届いていた。
親友の優子からだった。
優子は私が入院してる間、頻繁に見舞いにきてくれていた。

母が退院した私のことを優子にメールしてくれていた。
別の大学に通っている優子は、研修で東北にいるらしく、それが終わって明日帰ってくるそうだ。


そして、メールの内容は明後日、渋谷駅で待ち合わせしようという事だった。