涙の宝器~異空間前編

「はぁ?」

「一時間だけだから付き合って!」

「そんな状態で正気かよ」

「大丈夫だから」

もたつくミコの体をアユミが起こす。
俺はさらさら肩を貸す気などない。

「場所は分かるのか?」

「ここを真っすぐ行ったら着くから」

ミコが言った通り後ろから跡に続いた。
クラブの前に着くと女たちに釘を刺した。

「ホントに行くのか?
二人とも絶対危ない目に合うぞ!」

「大丈夫だから。
アユミと離れないし」

「そんなに酔ってたら変な奴らに絡まれるじゃん」