涙の宝器~異空間前編



やがて指がひかかって止まる。


恐る恐る持ち上げた。


暗くて何も見えないからライトを当てると、それは地下に繋がる階段だった。



バクバクの心臓をよそに、俺の体は中へと降りていった。



地下−−−−






段々とモーターの音が聞こえてきた。


左方向からきているようだ。


地面はコンクリートで出来ているから忍び足で歩けば大丈夫そうだった。



奥に進むに連れて、俺は大きな違和感に襲われた。


体が勝手に動いているではないか!





いや、違う。


体が引き寄せられている!